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思い出作りの手助け(アズマ綴じ)

仕上がりサイズ:B5横長変形(縦198㎜×左右265㎜×厚さ22㎜)
綴じ方:アズマ綴じ(アルバム製本 ※表紙と最初と最後の本文にベタ貼り)
本文:10枚(ONボール2ミリ厚)
表紙:DKホワイト 350g/㎡

こんにちは、突然ですが私、あまり写真を撮りません。
親が良く写真を撮ってアルバムにして……とそう言う思い出を大事にするタイプだったのと、
兄弟が多いので我が家のアルバム数は結構多い方だったと思います。

しかし保存状態も余り良いとは言えず、一番上のを見返そうとすると
結構色褪せてしまっていて……それはそれで時代を感じるのですが、思い出と言うなら
出来る限りそのままの状態を保ちたいなぁと思った次第。

とは思うけれど、自分の性格をよく分かっているので多分写真を撮らないんだろうなぁとも。
昔より簡単に保存が出来る時代なのに簡単に色あせていく光景が想像できます(笑)。

まぁ最近は簡単にデジタル化出来ますし、逆に昔のようなフィルムを使ったカメラを使う人は
少ないのでは……いやどうなんでしょう?写ルンですがまだ売られている辺り意外とフィルムもまだまだ
現役なのかも知れません(最近CMで見た時はびっくりしました)。

ともかく昔と比べて簡単に写真が撮れるようになったので、
ちょっとカメラ機能を使ってみようかなぁと思ったり思わなかったり。

さて、今回のおはなしはこちらです。

挑戦してみたのは台紙を使ったアルバムです。
2ミリ厚程度の台紙を10枚綴じて、それに表紙をくっつけてカタチにしてみました。

 

10枚と少ないページ数ですが、その分厚みがあるのでかなり重厚感のある造り。
更にこのアルバムの特徴は全てのページがフルフラットに開くことです。

開いた1枚目から最後のページまで、全てのページが見開きになるので特定のページだけ
背表紙が開きにくい……と言う事もありません。
なぜなら、これは背中がホローバックになっているからです。

ホローバックとは左の写真のように、
本文の背中と表紙の背中が接着されてない空洞の状態に
なっている様式の事を言います。

ホローバックになってないと本文が180度以上開く場合、
背表紙に筋のような折れ線が入ってしまうなどの弊害も
現れてしまいます。恐ろしい……。

ホローバックのおかげでこれだけ開いても背表紙への負担はかなり軽減されてます。
やはりアルバムは長期で保存するものなので出来るだけ負担が掛からないように
したいですね。

いかがでしたでしょう?
今回はかなり厚めの台紙を使用しましたので、重厚感を感じさせる仕上がりになっています。

一昔前だと写真は現像して形に残すのが一般的でしたが
今はデータとして残る時代、むしろそちらの方が主流になってる気がします。

そう考えるとアルバムも中々使われる事がないのかも知れませんが、
それでも形に残したいと思うほど大切な写真に出会えたら、
それもまた一つのキセキですよね。

他にもどこかに出かけた際のスクラップブックや、
旅行に行った際に家族、或いは友達みんなで書き込めばそれだけで
オリジナルの一冊が出来上がります。

そんな想い出作りの手助けが出来れば嬉しいです。

それでは本日はここまで、また次回のおはなしにてお会いしましょう。

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