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和綴じ。そしてドイツ装

仕上がりサイズ:縦190㎜×左右135㎜×厚さ7㎜
綴じ方:三つ目綴じ+ドイツ装(表1・4に厚紙貼り)
本文:80p(ハーレムブラック 46/70k)
表紙:マーメイド絹 46/350k×3枚合紙

こんにちは、漢字は旧漢字にロマンを感じますね。戀とか學とか

最近クイズ番組で難読漢字を良く見るのですが……やはり漢検一級レベルともなると
見た事もない字がほとんど。
しかし一見して読めなくとも由来を知ったり、部分的に見覚えある漢字が使われていると
そこから読める時があります。

そういう時は不思議と納得してしまう説得力に漢字の奥深さを知り、
日本語が母国語で良かったと思いますね
(大元を辿れば漢字は中国由来ですがそこは一つ言いっこなしと言う事で)。

さて、本日のお話はこちらです。

今回は和綴じの要素とヨーロッパのドイツ装の装丁を組み合わせるという事をやってみました。

和綴じ:糸で本を閉じる日本の伝統的な製本技術で、
四つ目綴じ、康煕(こうき)綴じ、麻の葉綴じ、亀甲綴じ、三つ目綴じなどの
種類があります。

ドイツ装:本文に厚紙(表紙)をズラしてつけて、背表紙をむき出しにしたりする。

←和綴じの一例です。

こうしてみると昔の本によく見る形だなぁ。と
想像つきやすいと思いますが、
ドイツ装は中々聞かない単語ですよね。

なので上の説明を聞いても少々分かり辛いかも知れません。

と、言うわけでこんな感じです。

西洋風とも和風とも捉えられるような
ちょっと変わった製本に仕上がりました。

      

こちら少々分かり辛いかも知れませんが、背表紙が完全に包まれてるわけではないので
開きやすさはあると思います。

和綴じの中でも比較的簡単な三つ目綴じで作ったのでシンプルですが、
凝った綴じ方にしてデザインとしてみたり。

紐の種類や色など、あるいは長さを変えて遊ぶのも楽しめます。
作り手さんの個性やこだわりが発揮できる場所ですね。

個人的には本文に和紙を使うとおしとやかな雰囲気が出て良いと思います。
文芸やちょっと方向を変えて、古民家カフェガイドマップとかにすると良いかも知れませんね。
わたしが見たいです。

それでは、旅行とまではいかなくとも近くの古都、
あるいはお寺や神社巡りしたいなぁと思いつつまた次回のおはなしにて
お会いしましょう。

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