変わった模様の表紙…その正体は?(コデックス装)
仕上がりサイズ | 新書判変形(縦175㎜×左右110㎜×厚さ18㎜) |
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綴じ方 | 糸綴りコデックス装(黄色糸)+表裏表紙(芯ボールを表紙で巻いたもの) |
本文 | 248p(モンテルキア四六81.5k、b7トラネクスト四六86k) |
表紙 | ユーライト四六110k(芯材:NPCC#36) |
付き物 | 見返し(NTラシャ漆黒 四六100k) |
皆さんこんにちは。
ここ最近の製本実験室は、表紙を正円でくり抜いた本や表紙に新聞紙を貼った本など、変わった表紙の本が続いていましたが……今回も、表紙で遊んでみました!
それでは本日のおはなしはこちらです。
第70回製本実験
この見た目、何だか分かりますでしょうか?
今回は厚表紙(芯ボールを表紙で巻いたもの)を表と裏に貼り、そこに皆さんもお馴染み(?)の、あるものを貼ってみました。
どんな本?
何だか、ブツブツ、ボコボコしている…?
こちらはなんと、市販されている滑り止めシートです。皆さんもきっと、使ったことがあるのではないでしょうか?
ゴムのようなビニール性の合成材で作られていて、物が滑って落ちたりしないように、小物や家具などの下に敷いて使用します。カーペットなどの下に敷いたりもしますよね。我が家ではバスマットの下に敷いています。
今回は、弊社工場内でテープカッターの落下防止のために使われていた滑り止めシートがあったので、それを使用しました。何だかこの製本実験室、たまたま見つけた余り物を使用することが多いですね(笑)。
装丁は人気のコデックス装。背表紙がない装丁方法を活かし、背には黄色の糸を使用しています。
シートの黒色と黄色の糸の組み合わせ、なかなかいいですね!
開いてみると?
コデックス装ですので、糸かがり綴じを採用しています。背表紙がないため、180度フルフラットに開きます。
中心を開くと、黄色の糸が見えて、これはこれでおしゃれですね。
何ができる?
よく見るとビニール製のツブツブが付いていて、見た目は規則性のある模様で面白いのですが、驚くのは、その滑り止めの力です!本当に滑らない!机の上に置いておいても滑らないので、本が落下して壊れるようなことが起こらないですね。
ものすごく滑りやすい場所に置いておかなければならない本だったり、ツルツルの手で持たなければならない本だったり……そんな本があるか分かりませんが、もしあれば、このアイデアも活かされそうです。
今回はたまたま一冊だけだったので良かったですが、複数冊作る時には本を重ねたりして揃えますので、製本作業を考えると、作業性はかなり悪いですね。
更なるおもしろ素材でできた表紙を見てみたいという方は、以前製本実験室で製作した、表紙がタイルカーペットでできた本や壁紙でできた本もチェックしてみてください。
どちらの本も、社内にたまたま余っていた素材を使った「エコな本」たちです!
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今回のおはなしはいかがでしたか?
本に滑り止めシートを貼ってみようなんて誰が思いついたんでしょうね?
今までいろんな素材を表紙に使ってきましたが、この組み合わせは面白いと思いました〜!
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
また次回のおはなしにてお会いしましょう。