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上製本のイチョウ入れ機

上製本のイチョウ入れ機

栄久堂の上製本の製本工程は、一本のラインで構成されておりません。手(手動)に依るところが多いです。

そんな中でも、要所要所で目的に合った機械を使用しています。

今回は、「イチョウ入れ機」についてご紹介します。

「イチョウ」ってなあに?

皆さんは本の「イチョウ」をご存知ですか?「イチョウ」と聞いてまず思い浮かぶのは、イチョウの木でしょうか。

実は本にも「イチョウ」があり、それは、上製本の表紙に付ける溝(くぼみ)のことを指します。

昔の職人は、この溝を付ける際に鉄製のコテを使用していました。そのコテがイチョウの葉ような形をしていたことから、そう呼ばれるようになりました。そして機械で作業を行う現代でも、この作業のことを「イチョウを入れる」と言います。

本に「イチョウ」を付けることで、表紙と中身を密着させることができます。上製本には欠かせない部分です。

                                                        上製本

B5横 上製本

                                                        上製本のイチョウ

イチョウ部分

イチョウ入れ機

栄久堂では、イチョウを入れる際にはこのような機械を使用しております。

今までご紹介してきた機械もそうですが、機械を見ただけでは何の役割を担っているのか全く分かりませんね。

イチョウ入れ機

イチョウ入れ機の仕組み

至ってシンプルな機械ですが、どのように機能するのか、簡単にご説明します。

まず、加熱機で機械の刃を加熱します。そして、機械下部に付いているペダルを踏み加圧します。

加熱・加圧により表紙と本文を密着させ、溝付と接着を同時に行う仕組みとなっています。

                                                        加熱機

加熱機

                                                        上下の刃

上下の刃を加熱します。

                                                      加圧

ペダルを踏み、加圧します。(横向き)

製本機械「イチョウ入れ機」についてのご紹介でした。

読み物としての本は、仕上がった状態ではどれも同じように思えますが、様々な細かい技術が使われており、それぞれのパーツに役割があるんですね。

栄久堂の製本技術や、製本全般に関するお問い合わせ・ご相談は、お問い合わせフォームより受け付けております。

次回以降も、上製本の機械について深堀していく予定です!

それでは次回のおはなしをお楽しみに♪

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