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HON-NO-HANASHIほんのはなし

本を開いて立てた様子

英語と日本語、2部構成の本に使える製本形式「両開きの本」

仕上がりサイズB6変形(縦168㎜×左右95㎜×厚さ18㎜)
綴じ方アズマ綴じ並製+背中にクロス巻き
本文48p×2冊 (仮)粗目紙:厚さ不明
表紙#20チップボールにビニールクロスを合紙

皆さんこんにちは。

前回は表紙にカーペットを使うという、なかなか変わった試みをしました。
タイルカーペットは加工もしやすく、とても綺麗に仕上がったので大満足でした。

そしてそして、今回も非常に凝った作品です。用途は限られるかもしれませんが、なかなか面白い製本アイデアです。

それでは本日のおはなしはこちらです。

                                                        2冊が1冊になった両開きの本 全体像

第61回製本実験

今回つくったのは、2冊を1冊にしたような本です。

それも、本の両側から読み進められる仕様になっています。

どんな本?

両側から読み進められるとはどういうことでしょう?

実はこちらの本、1冊の本で前半部分と後半部分で開く向きが逆になっています。

前半が右開きだとすると後半が左開きです。

左開きの時

右開きの時

上から見てみると?

パッと見ただけでは作りがどうなってるかよく分かりませんが、上から見ると良くわかります。

Z型になっており、前半と後半部分の違いが分かると思います。開きの向きが逆になっています。

                                                        本を開いて立てた様子

                                                        本を開いて立てた様子

開いてみると?

背中にはクロスを貼っており、本の開きもとても良く出来ています。

弊社オリジナルのアズマ綴じを採用しており、ノド元まで180度開きます。

                                                        本を開いた様子

何ができる?

2冊を1冊にまとめているような本ですので、2部構成の本に使えそうです。前半と後半で反対の内容を示すものだったり、過去と未来を比較するものだったり…。とにかく本をひっくり返さないともう片方が読めないという仕組みになっているので、何か同じシリーズでバージョン違いの2冊を一つにするといった感じですね。

単純に2部構成の本に採用することもできますが、右開きと左開きであることに意味があるような内容であれば、もっとこのデザインの良さが際立ちますね。例えば前半は英語で後半は日本語で書かれている読み物だったり…左開きと右開きをどちらも採用したい時には持ってこいです。

デザインとしても面白いと思いますので、アートやクリエイティブ系の本に採用すると、他と被らずオリジナリティを出せるのでいいと思います。

過去にも2冊を1冊にしたような本をつくっています。今回と違って開きの方向は同じですが、同じように2部構成の本に使える製本アイデアです。

                                                      小口側から閉じた本を見た様子

今回のほんのはなしはいかがでしたか?

左開きと右開きどちらもに対応した本——
こういったところにもデジタルでない本の面白さがあると思います。

それでは本日はここまで。
最後までお読みいただきありがとうございました。

今回は実用性に欠けるところもありますが、何らかのヒントになれば幸いです。

また次回のおはなしにてお会いしましょう。

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