26 12月 2017

【実験的製本レポート】vol.34

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「実験的製本レポートvol.34

 

  仕上がりサイズ:縦182㎜×左右128㎜×厚さ7㎜

●  綴じ方:アズマ綴じ並製

  本文:48p(奉書紙 46/70k)

  背中クロス:東京リネン(紫色)

  コメント

 

今回は非常に簡易的な製本で、表紙の無い本文用紙だけを綴じて背中にクロスを貼っただけのものを作りました。本文用紙には奉書紙と呼ばれる、最近流行りの朱印帳などに多く使われている紙を使用しました。綴じ方は開きの良いアズマ綴じ、180度開いて両手を離しても戻りません。B6サイズで片手に収まるサイズ、表紙が無いので簡単に丸められます。ノートとしては最適だと思います。背中にはワンポイントで布クロスを貼っています。真っ白のノートに背中だけ紫色のクロス、ワンポイントでおしゃれな感じがしました。

 

今回は今年最後のレポートでした。今年5月から週一で始めたレポートも今回で34回目、本日まで一度も休まず継続的にアップする事が出来ました。最近では「読んでますよ〜」「毎週楽しみにしてます!」など嬉しいお言葉をいただき、今日まで続けることが出来ました。有難うございます。

 

また、来年も引き続きこのレポートは継続してゆく予定です。世の中、デジタル化、ネット化、AIが進みどんどん便利になって、「紙なんか無くなってしまう」との声もありますが、紙の良さ、可能性はまだまだ未開拓です。ものとしての価値、温もりを感じる紙をもっともっと掘り下げて可能性を広げていきたいと思います。

 

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

 

来年は9日からアップしていきたいと思います。

 

それでは皆様よいお年をお過ごしくださいませ。

 

19 12月 2017

【実験的製本レポート】vol.33

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「実験的製本レポートvol.33

 

  仕上がりサイズ:縦257㎜×左右182㎜×厚さ6㎜(小さい方の頁:縦210㎜×左右148㎜)

●  綴じ方:アジロ綴じ並製

  表紙・本文:64p:モンテルキア 46/90.5k

  コメント:

 

今回は本の一部分のページの大きさが、他のページより少し大きい本を作ってみました。本文は全部で64pになりますが、巻頭と巻末のそれぞれ16p分はA5サイズで、真ん中の32p分がB5サイズになっています。なんとも不思議な感じのする本ですが、なんかカッコいいです。

 

この試作は白紙なので、写真では大きさの違いが見えずらく分かりにくいですが、B5サイズのページがA5サイズの本からはみ出している様に見えます。また一方で、B5サイズの本をA5サイズの表紙が無理して綴じているようにも見えます。何れにしても、大きさの違うページが一緒に綴じられているというだけで、何とも言えない違和感を感じ、ユニークさを表現しています。アンバランスなようで、とてもバランスが取れています。今回はA5と B5ですが、他のサイズの組み合わせも面白いかもしれません。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

 

 

 

12 12月 2017

【実験的製本レポート】vol.32

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「実験的製本レポートvol.32

 

  仕上がりサイズ:縦132㎜×左右90㎜×厚さ25㎜

●  綴じ方:アジロ綴じ並製

  本文:280p:OKピクシードソフィア 46/90.5k

  見返し:8p:色PHO(淡クリーム) 46/110k

  表紙:色PHO(淡クリーム) 46/225k

  扉:純白ロール(はまゆう) 46/43k

  カバー:WPHO 46/180k

  スピン(栞紐):4本(No.7, 16, 20, 32)、花布(伊藤信男商店N0.36)

  コメント:

 

今回は今までに無いちょっと特別な仕様にしてみました。18年以上製本業界に関わってきましたが、今までに一度も見た事の無い作りになっています。

 

まず最初の特徴としては、スピン(栞紐)が4本も付いている事です。通常、機械では2本まで入れられますが、それ以上になると手作業になります。ですので、今回の4本も手作業で付けました。それぞれ色が違うので、華やかになりますね。

 

2つ目の特徴は花布と言って背中の上と下に布が貼ってあります。花布とは 元々は補強の役割が主だったようですが,現在は装飾と背部を隠すことが主たる目的になっているようです。通常、上製本(ハードカバー)には付いている事が多いですが、今回のように並製本(ソフトカバー)に付いているのは初めてです(多分、製本の製造ラインに載らないからでしょう)。あまり目立ちませんが、背中にちょこっと色が見え隠れするのがオシャレに見えます。でしゃばらないところが良い!(笑)

 

そして花布を付けた事によって、本のサイズより2ミリづつくらい大きくなってしまったので、それを覆うように今回はカバーを付けてみました。ハードカバーの様なしっかりした作りから出る雰囲気と、ソフトカバーのカジュアルな雰囲気のちょうど中間の、固すぎず砕けすぎずのマイルドな感じが表現されていて、今回の試作は個人的にも一番気に入ってます。

 

今回で32回目ですが、まだまだ色んなアイデアが出てきます!

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

 

 

05 12月 2017

【実験的製本レポート】vol.31

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「実験的製本レポートvol.31

 

  仕上がりサイズ:縦353㎜×左右250㎜×厚さ3㎜

●  綴じ方:中ミシン綴じ(センターミシン綴じ)

  本文:20p:サテン金藤 46/180k

  見返し:8p:ディープマット インディゴ 46/180k

  表紙クロス:タンタンピースNo.650-47

  コメント:

 

今回はそんなに特別な仕様ではありませんが、パンフレットのような薄い本に全体的にクロスを貼ったらどんな印象になるか試してみました。やってみての印象は、やはり豪華に見えました。

 

今回は丁度B4サイズなので、映画や劇のパンフレットのようなサイズ感ですが、全面にクロスが貼られているというだけで、全然印象が違って見えます。

 

一般的にはPP加工と言うビニール加工などが施されているケースが多いですが、クロスにすると随分と高級感や存在感が出ます。まぁ、クロスの材料費が掛かりますので、ビニールよりは少し割高になりますが、注目される事は間違い無いでしょう。

 

クロスの上には箔押しなんかを押してみると、更に高級感が増すと思います。今回使用したクロスは特に光沢があって、オレンジと金色の中間のような輝きを放っているので、黒や濃い目の色で箔押しすれば、キリリと引き締まった感じになること間違い無しです。

 

パンフレットなどページ数の少ない物でも、このようにクロスを使用する事によって、一気に豪華な演出が出来ると思います。

 

是非、ちょっと凝ったパンフレットを作りたいと思ったら、採用してみてください。

 

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

 

 

29 11月 2017

【実験的製本レポート】vol.30

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  仕上がりサイズ:縦241㎜×左右105㎜×厚さ18㎜

●  綴じ方:アズマ綴じ

  本文:36p:DKスノーA730g/m×18枚

  カバー:和紙/もみ紙(銘柄未明)

  コメント:

 

今回はサイズに拘りました。お坊さんが使われる経本の様な縦長のサイズにして、綴じ方はアズマ綴じ(180度開きます)、それに和紙のカバーをしました。一般的な経本は通常、蛇腹折りで作られていますが、今回のはアズマ綴じ、蛇腹折りの様に何ページにも渡って長く開くことは出来ませんが、180度開きますので、片手で持ちながら(お経を読みながら)進めることは十分可能だと思います。

 

写経などにも適していると思います。今回の本文にはとても厚い紙を使用していますので、和紙や奉書紙に書かれた題簽を貼っても良いかもしれません。写経にはちょうど良いサイズだと思います。

 

最近では朱印帳(通常はB6サイズ)がブームになっていますが、今回の様なサイズの朱印帳も面白いでしょう。いわゆる一筆箋のサイズなので、直接書いても良いですし、また筆で書かれた手紙や和紙など貼って保管するのも良いでしょう。

 

本ってサイズによって全然佇まいが変わるんだなぁと改めて感じました。

 

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

 

 

21 11月 2017

【実験的製本レポート】vol.29

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「実験的製本レポートvol.29

 

  仕上がりサイズ:縦230㎜×左右230㎜×厚さ8㎜

●  綴じ方:アズマ綴じ+ハードカバー(角背上製ボール表紙)

  本文:40p:ホワイトエクセルケント 46/220kg

  表紙:色上質 特厚 水色、芯ボール:#30

  見返し:色上質 特厚 水色

  コメント:

 

今回は過去にも似たような物を作りましたが、表紙が本文よりも小さい本を作りました。以前作った物は天地(縦方向)にも左右方向にも短い表紙でしたが、今回は天地方向だけに短い表紙にしました。何だか本が腹巻でもしているような感じに見えます。特に本体が230㎜×230㎜の正方形なだけに、真ん中に表紙が付いているのは、バランスがとれているように見えます。外側から見える本文の最初と最後のページも表紙という扱いにして、タイトルやクレジットなどを入れてみるのも面白そうです。ほぼ思い付きで作った割には、デザイン次第で色々発展していけるように思いました。

 

制作に関しては中々悩まされそうです。通常、最後の表紙くるみの工程においては、見返しの表側に糊を塗って表紙と合体させますが、今回の様な仕様ではそれが出来ません。本体の方が表紙より大きい為、本体全体に塗ってしまうと表紙と接着しない部分がベタベタになってしまいます。その為、今回は表紙の方に糊を付けて本体と合体させます。しかし、本体に印が無い為、どこに合わせて良いかわかりません。ここの部分がとても悩みどころです。実際に印刷する時には目印になるようなものを付けないといけないでしょう。

 

制作面においては課題も多い今回の仕様でしたが、それらの課題さえクリア出来れば結構面白い製本が出来ると思います。デザイナーの皆さん、是非とも面白い本に仕立て上げて下さい!

 

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

 

14 11月 2017

【実験的製本レポート】vol.28

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「実験的製本レポートvol.28」

 

  仕上がりサイズ:縦270㎜×左右193㎜×厚さ8㎜)

●  綴じ方:和綴じ(四つ目綴じ)+ドイツ装?(ボール表紙)

  本文:72p(NTラシャ ひまわり 46/135k

  表紙:DKスノーA 730g/m2

  コメント:

 

今回は和綴じにドイツ装と言われる表紙に厚めのボール紙を貼った製本をしてみました。いわゆる日本とドイツのハーフですね。ですが和綴じと言ってってもごくごく簡易的なもので、四つ開けた穴に糸を通して綴じただけの簡単なものになっています。本来は袋綴じと言って小口側が袋になっていたり、角切と言って背中の天側と地側に布を貼ったりと奥深い仕様になっています。

 

ドイツ装と言うのは、一般的には本の背中の部分と表1、4の部分が一体化されていない本の事を呼びます。今回の製本は和綴じの本の表1と4に厚めのボール紙を貼りました。正式なドイツ装とはちょっと違いますが、和綴じで背中が無いので、まぁドイツ装にもみえるかなと言う事で呼んでいます。

 

全体的なイメージとしてなかなか面白く仕上がったと思います。たかだか表紙にボール紙を貼っただけなのに、ちょっと畏まったような雰囲気を出してます。普通の和綴じですと、やはり全体的に「THE日本」を感じます。それにすごく柔らかい印象を与えますね。でもドイツ装のように厚紙を貼ることによって、堅いとかしっかりしたと言うような印象を与えます。

 

 

それと和綴じは綴じ糸の色によって雰囲気が全然変わりますね。今回は本文用紙が黄色でしたので、あえて目立つようにと紺色の糸を使ってみましたが、ボール紙の白との相性も良かったと思います。出来ることなら、今度は色を変えて色々な雰囲気を試してみたいと思いました。

 

今回も最後までお読みいただきありがとうございます。

 

 

07 11月 2017

【実験的製本レポート】vol.27

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「実験的製本レポートvol.27」

 

  仕上がりサイズ:縦258㎜×左右210㎜×厚さ14㎜)

●  綴じ方:アズマ綴じ+背巻き(クロス)+ボール表紙

  本文:112p(上質紙 46/110k

  表紙:芯ボール:NPCC#20

  コメント:

 

今回は背中に、製本用ではない通常の布に裏打ちした布を貼った本を作りました。裏打ちとは布の裏に和紙を貼ることです。裏に和紙を貼ることによって、紙と同様に加工しやすくなります。通常の製本用のクロスは裏打ちが施された状態で販売されています。今回は製本用のクロスではないため、裏打ちという作業から行ないました。ちょっと厚めの千鳥格子模様の布と和紙を貼って、裏打ちを行いました。裏打ちをすると大抵の布を使うことが出来ます。例えば、思い入れのある着物の生地であったり、普段着ているワイシャツ、ハンカチやスカーフなどなど。何でも良いと思います。ダイヤリーや手帳、アルバム、何でも結構ですので、本の一部として残せたら素敵ですね。

 

今回の本は、仕様としては開きの良いアズマ綴じを採用、表表紙と裏表紙には#20のボール紙を貼り付けました。アズマ綴じは本当に開きが良いため180度フルフラットに開きます。手でページを抑えることなく、見開きもしっかりノド元までストレス無く見ることが出来ます。仮にノートとして採用しても、抑えること無くペンを進めることが出来ます。また表紙には硬いボール紙を採用してますので、作りがしっかりしている印象を与えます。

 

本の用途についても考えてみましたが、あまり思いつきませんでした。やはり写真集や作品集、アート系の本が似合うのでしょうか。それとも、開きが良いのでダイヤリーやノートとしても面白いかもしれません。

 

最後ですが、正面から見たときに背中のクロスがもう少し見えると、また雰囲気も変わるのかなと今頃になって気づきました。次回はもう少し背中のクロスを露出させるような仕様を考えてみたいと思います。

 

 

今回も最後までお読みいただきありがとうございます。

 

31 10月 2017

【実験的製本レポート】vol.26

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「実験的製本レポートvol.26」

 

  仕上がりサイズ:縦39㎜×左右30㎜×厚さ4㎜)

●  綴じ方:アズマ綴じ角背上製

  本文:32p(ピズムマット K/93.5k

  表紙:イルミカラーピンク46T/80k、芯ボール:特光黄板#14

  コメント:

 

今回は超ミニ本を製本してみました。縦が約4センチ、左右が3センチ、すごく小さいです。写真で普通に撮ってしまうとスケールが解りにくいので、タバコは吸いませんがライターと一緒に撮ってみました。どうでしょう? かなり小さいですよね。昔、折り紙の鶴で小ささに挑戦したことがありますが、今回も負けず劣らずです。

 

作り方としては、通常の製本方法と変わりませんが、やはりサイズが特殊なため大量生産には向きませんね。所々の工程で手作業が必要になります。それと何と言っても、最後の断裁作業が大変ですね。2メートル近くする刃で、こんな小さな本を切るわけですから、間違って手でも切ってしまいそうでドキドキでした。

 

用途についても考えてみましたが、キーホルダーや何か常に携帯するような場面には良いかもしれません。大切な人への手紙、常に読み返したい言葉、写真などを転写して、常に携帯するのが良いと思いました。とってもとっても小さい本ですが、何だかすごく存在感を感じた一冊でした。

 

今回も最後までお読みいただきありがとうございます。

 

 

24 10月 2017

【実験的製本レポート】vol.25

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「実験的製本レポートvol.25」

 

  仕上がりサイズ:A4変形(縦210㎜×左右210㎜×厚さ8㎜)

●  綴じ方:中ミシン綴じ/センターミシン綴じ(中綴じと同じように本文の芯から縫ったもの)

  本文:48p(上質紙 K/93.5k

  表紙:色上質(びわ特厚口)

  カバー:和紙/もみ紙(銘柄未明)

  コメント:

 

今回は記念すべき25回ですが、シックな感じで作ってみました。サイズ的には210㎜×210㎜でいわゆるパンフレットや絵本などでよくみられるサイズです。開きも良く180度開きます。背中が上製本(ハードカバー)みたいに角ばっていないので、柔らかい感じがしますね。カバーには和紙を使ってみました。和紙の中でももみ紙と呼ばれる凹凸のある、シワのあるものを使いました。カバーと言っても、通常のように本文の袖側に引っ掛けるだけではなく、仮フランスと呼ばれるような、小口側だけでなく天地方向にも折り返すやり方で付けてみました。(4枚目の写真参照)そうする事によって本から外れる事もなく、より一体感を感じられる仕上がりになりました。

 

全体的にとても柔らかい感じに仕上がりました。和紙のカバーに箔押しなど、はっきりするデザインを施すとメリハリができ面白いかもしれません。

 

和紙を使った本は、なかなか見かけないですね。製本工程で通常のラインでの大量生産対応が難しいからだと思いますが、洋紙とのミックスで明らかに新しいスタイルに仕上がります。今後も、もっともっと多様な組み合わせで新しい面白いものを作っていきたいと思いました。

 

今回も最後までお読みいただきありがとうございます。