12 11月 2015

製本と糊

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木曜ブログ担当の佐藤です。

先週は寝る時間も惜しむほど忙しく、初めて一回ブログを休んでしまいました。読んでくださる方がいると思うと自分勝手な行動だったと反省してます。気持ちを入れ替えて、今回は製本作業にとっての糊について書きたいと思います。

製本作業において糊はとても重要です。本は紙と糊で出来てると言っても間違いではありません。本のそれぞれのパーツで使われている糊はみんな違います。速乾性のもの、強粘着、弱粘着、いつまでもベタベタしてるもの、硬いもの、乾いても柔らかいものなどなど、ありとあらゆるタイプの糊がそれぞれの用途に合わせて使われています。そんな中、先週とても勉強になったなぁと感じた事がありました。

それは合紙という工程で起きました。合紙という作業は紙を2枚とか3枚とか糊を付けて貼り合わせていく作業です。紙を厚くしたい時によく使われる技法ですが、この合紙という、ただ紙を糊で貼り合わせるという一見簡単そうな工程においても注意しなければならない点が隠れています。

まず、紙には「紙の目」というものがある点。そして、その目の流れ方向によって紙の伸縮が変わってきます。ですので違う種類の紙同士を貼り合わせる際には、あえて紙の目が平行にならないように貼って反りを防止したりします。

今回は書籍の本文になる紙同士の貼り合わせだったのですが、どういう訳だか本文の前半部分と後半部分の反りが反発しあって、本文の真ん中で裂けてしまう現象が起きました。

これには悩みました。。。

紙の目は全て同じ向き、紙の種類も一緒、糊の種類も同じ、同じ日に続けて作業してるので湿度などの作業環境も一緒、となると、

何がいたずらしてるのか???

結果、色々な意見を集約したところ、糊を塗った紙が違っていたのです。糊を塗った紙と塗ってない方の紙の伸縮率が変わると言うのです。

例えばA, B, C, Dという4種類の紙があって、AとB、CとDという組み合わせで貼り合わせたとします。そして仮にAに糊を塗ってBと貼り合わせると、Bの方に反るのです。同様にCに糊を塗ってDと貼り合わせると、Dの方に反るのです。

それが今回はBとCに糊を塗って、A、Dとそれぞれを貼り合わせたため、AとDのそれぞれの方向に反ってしまい、反発しあい裂けたようになってしまったのです。

昔から「紙は生きてる」と言われてますが、今回はまさにこの言葉を痛感しました。

紙同士に糊をつけて、ただ貼り合わせるというごく単純な作業の中に「技」は隠れていました。

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